山のことあれこれ
山歩きとインタ−ネットの利用

最近、IT、ITと新聞、雑誌の紙面を盛んに賑わせている。たしかにコンピュ−タが無ければ仕事が出来ないということは私のような小さな会計事務所にいる人間でもわかる。デ−タの処理、税金の計算、申告書の作成、文書の作成のどれをとってもコンピュ−タが無ければお手上げだ。ただインタ-ネットに関して云えばまだまだその情報の量と質が限られているのが現実だ。例えば税務に関していえば国税庁や税理士会が提供する各種の届出書の書式なども有ったり無かったりで今一歩の感じがしないわけではない。とにかくまだまだ発展途上の段階だ。ただこれも段々充実はしてくるのであろう。
メ−ルもその利用は年齢層によってはまだまだのようだ。この6月に大学の同期会があリ世話人が準備に何回か集まった。代表世話人のI君は日程の調整が大変であったと云っていた。同期会終了後の反省会では次回は何とか全員がメ−ルに習熟して連絡を取り合いたいものといっていたがなるほど思った。10人前後でも電話で連絡を取り合うとなるとそのエントロピ−量はたいへんなものであろう。
私の場合は山歩きを趣味としているのでインタ−ネットの恩恵は大変なものだ。新しい山に出かける時は同好の士のHPを覗いて情報を集めている。皆さんのコ−スタイムを見てはこれなら私でも大丈夫と安心したり、思いがけない発見があったりでとにかく面白い。HPの内容もいろいろでこの山域は任せてくださいという専門店型のHPがあり大変役に立つ。例えば「平が岳」(「丹沢表尾根木の又便り」にリンクが張られている)などは、ここにアクセスさえすれば平が岳の全てが分るという優れたものである。今夏、百名山は四阿山、平が岳、雨飾山、苗場山、巻機山と出かけた。四阿山は長野県警HPにある中嶋警視の「信州山歩きマップ」から入手したイラスト入りの登山案内を手に登った。苗場山に関しても専門店型のHPから情報を手に入れて登った。コ−ス案内、入浴情報、バスの時刻表まで載っている。これまで山の情報や地元のバスの時刻などは山の雑誌や書籍が専らであった。バス会社も不採算路線は別会社や市町村(村営)に委譲したりしているのでなかなか様子がわからなくて山の雑誌の夏山特集号を手がかりに地元に電話で問い合わせをしていたが、インタ−ネットの利用で随分様変わりだ。そんなことで新しい山に行く時は必ず覗いてみる。願わくば地方ほどインタ−ネットで情報を発信して欲しいということだ。これまで百名山ということで地方にも出かけたが現地で各種のパンフレットを手にする。思いがけない入浴施設、宿泊施設、物産販売所を見つけて驚くことがある。各市町村、観光施設、交通機関も印刷物の作成となると相当に費用がかかり、配布の方法も限られている。その点インタ-ネットは全国の不特定多数の人に情報を発信することが出来るのだ。ホ−ムペ−ジの作成も費用をかければきりが無いくらいで、私の場合、1万円前後のホ−ムペ−ジ作成のソフトを買ってご覧のような簡単なものを自作した。毎月の維持費も10メガまでなら接続料込みで3000円(月150時間まで、9月からは無制限で2000円)で済んでしまう。そんなことでインタ−ネットは遊びにはもってこいだ。

追補(’02/01/06)
 最初にこの一文を書いたときよりかなり状況は進んできた。料金は10メガまで時間の制限なく月額2000円と安くなった。もっと低廉なところもあるようだが、ニフティ−の「山のフォ−ラム」の利用などでこの程度の出費は仕方がない。私のホ−ムペ−ジもこれだけ使って8メガでまだまだ余裕がある。メ−ルも欠かせないものとなった。山に行くとき特製の名刺をパソコンで作り持ってゆく。むやみやたら配るわけには行かないが山小屋など知り合った方にこのサイトのPRを兼ねて差し上げている。山にまで面倒な人間関係を持ち込みたくないが知らない方と山の話をしたりメ−ルをいただいたりするのも楽しいものだ。手紙となるとなんとなく億劫だがメ−ルとなると気軽なものだ。使っているソフトのバ−ジョンアップもメ−ルで知らせてくるし、注文もメ−ルで出来る。
 事務所でもADSLで常時接続している。ニュ−スだ、野球だ、サッカ−だと仕事の合間にちょくちょくアクセスするのもいい。とにかくやらなければ先には進めない。次第に仕事上でアクセスするサイトも充実してきた。国税庁のサイトなど様変わりだ。今年から所得税申告書がA4判にかわる。A4判化については12年前朝日新聞声欄に投稿して掲載されたが 感慨深い。電子申告ももうすぐだ。デ−タをメ−ルの添付フアイルとして送ってくるクライアントも少しずつだが出てきた。アルビン・トフラ−のいう「第三の波」に洗われていることを実感する今日この頃である。

「官庁の書類はA4判一本に」
 「日本の官庁の書式がどうなっているか分かりませんが、書類の大きさがまちまちで困ります。A4判で書類を統一してください。私どもの事務所では光ディスクのファイル導入を検討していましたが、現在、中断しています。理由は官庁提出の書類の大きさが様々であることです。A4判であれば事務機器に書類を読み込ませるのが比較的簡単なのです。しかし、B系列(主にB5判、B4判)があり、A系列(主にA4判)があり書式が統一されていないことが事務の機械化を進めるうえで、障害となっています。税務官庁の書類は資産税関係にA4判が比戟的多く、法人税関係ではB5判が多いようです。一番不可解なのは、所得税確定申告書の大きさです。変形でA3判より縦長です。しかも、裏面にも記載する欄がありますのでファイルどころかコピ−すら不便です。最近のOA機器の進歩は目ざましいのです。書式の統一は情報化社会での基礎的な条件ではないか、と思われます。欧米のようにA系列(A4判)の統一をすすめるべきではないでしょうか。総務庁をはじめ関係官庁の尽力をお願いします。」(朝日新聞声欄90年6月12日掲載)

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