★ ジェラルド・L・カーティス教授のインタビュー記事を読んで
 ★日本には「勝ち馬に乗る」とか「時流に乗る」という言葉がある。全体的な状況が不明なときはこういう身の処し方が一番確実で無難であるのだ。「和を以て貴しとなす」というのが古来からの日本の精神基盤だ。大多数の日本人の意識の底流にはこういう思想が深く当然のごとく存在しているのが日本社会だ。長谷川如是閑はこういう日本人の生き方を健全なる日本の思想として高く評価していた。功利主義というか現実主義というか、とにかく日本人は実利の民なのだ。確かにこうして大勢に身を任せていれば波風も立たないし平和であると思う。

 最近の朝日新聞オピニオン欄にジェラルド・L・カーティス( Gerald L. Curtis)(コロンビア大学政治学部バージェス記念講座教授)のインタビュー記事が載っていた。教授はこういう日本社会に対して、状況というか取り巻く環境が一定であれば妥当であろうが、大きく状況というか環境が変わるときは危険であると警告をする。満州事変以来の日本の政治対応をあげている。大勢順応では進むべき方向を間違えるということだ。今、日本が重大なターニングポイントにあることは間違いないようだ。とにかく自ら考えなければならないということだ。(2016/1/1記)
   
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