272.2001/10/6〜8吾妻山
この連休を利用して秋の吾妻山を楽しんだ。深田久弥はその著「日本百名山」で、「一口に吾妻山と呼んでも、これほど茫漠としてつかみどころのない山もあるまい。・・・・福島と山形の両県にまたがる大きな山群で、人はよく吾妻山に行ってきたというが、それはたいていこの山群のほんの一部に過ぎない。この膨大な山群には、渓谷あり、高原あり、湖沼あり、森林あり、しかも山麓をめぐってあちこちに温泉が湧いている。包含するところの景勝は甚だ豊富であるが、それを極めつくすのは容易ではない。」と、書いている。群盲象をなでるの喩えの如くこれを実感をした。
第1日目:浄土平でビジタ‐センタ−をのぞいた後、今夜の宿の吾妻小舎に行く。受付を済ませて早々にサブザックで浄土平から姥が原、東吾妻山、景場平と歩いた。東吾妻山山頂は風が強く、ガスが流れて展望はいま一歩だった。山頂から景場平のくだりではヤチ(低湿地)で歩き難いことこの上もなかった。この山域ではスッパツが欠かせないことを知る。
第2日目:小舎を6時50分に出発する。天気は上々だ。一切経山の登りでは振り返れば浄土平が俯瞰できる。なにやら立山の室堂の風景と重なる。山頂では展望に恵まれ眼下に五色沼が、顔を上げれば明日歩く予定の西吾妻山から西大顛まで見える。ここも家形山からの従走路はヤチで歩きにくことこの上もない。明月荘弥兵衛小屋には2時少し前に到着した。
第3日目:小屋を6時に出発する。天候は下り坂のようだが何とか持ちそうだ。西吾妻山山頂は樹林の中で展望は無く、一番の展望を期待していた西大顛(顛は頂の意)の山頂では強い風とガスが間歇的に流れて残念ながら展望は利かない。当初の山形側の白布温泉に下る予定だったが途中からご一緒させていただいたご夫婦に教えられて裏磐梯のグランデコスキ‐場にくだる。おまけにタクシ−まで同乗させて頂き大助かりだ。今回の山旅も沢山の方とお話が出来た。良き哉、山歩き。楽しき哉、山の旅。


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