257.2001/4/1毛無山&十二ケ岳
土曜日は雨が降って寒い一日だった。雪が舞った所もあったようで桜が咲く頃に雪が降るとは近年まれなことだ。日曜日は天気がよいので山行きだ。巧子に4時に起してもらい身支度をして20分に大急ぎで家を出る。朝食は電車の中だ。南武線平間駅までザックを背負って登山靴を手にぶら下げて運動靴で歩く。こうすれば始発電車に乗れるのだ。南武線の始発電車に乗れれば出かける山域もそうとうに広がる。今日はそれを試してみようというわけだ。立川、高尾、大月と電車を乗り継いで8時13分河口湖駅に到着する。車中で朝食も済ませた。居眠りもした。駅前に待っているタクシ−の料金を聞くと2500円以内で行けるという。バスは10時近くだ。こうなるとタクシ−利用だ。登山口の文化洞トンネル入口に向かう。道路に雪は無いが屋根の雪が朝日に輝いている。陽射しは明るい。文化洞トンネル手前の空き地は一面銀世界だ。車が数台駐車している。先行する人がいると見えてほっとする。通いなれた丹沢なら心配がないが初めての山域となると道が雪に埋まってル−トが分らないとなるとなんとなく不安だ。尾根を直登すれば間違いないのだが歩き難いのはいうまでもない。よく踏まれた山道を歩けば楽だということだ。やがて樹林帯を出る。振り返れば青空をバックに富士山がすっきりとした姿を見せる。左下に河口湖、右下に西湖が、その後には足和田山稜が連なる。ひと登りで毛無山山頂に出る。先行する人達が休憩している。皆さんで写真のシャッタ−を押し合ったりで賑やかだ。この後、十二ケ岳に向かう。雪でル−トがはっきりしないだけにここからはなんとなく皆さんで一緒に歩きだす。西の肩のピ−クに一ケ岳と書かれた標識がある。毛無山山頂までの道とは違って一ケ岳からは岩稜帯の登りくだりでおまけに30センチ前後の雪が被っているので余程注意をしないと危険だ。ピ−クごとに二ケ岳、三ケ岳と書かれた標識を次々と見る。十ケ岳の付近ではル−トが分らず皆さんでル−トフアイデングだ。ここは大きく巻くようだ。十ケ岳から十一ケ岳にかけてロ−プを使っての急登が始まる。十一ケ岳で一息入れる。ここから見る主峰は何処がら取付くのか見当もつかないくらい威圧感がある。上から見下ろせば垂直に近く感じる斜面をロ−プを使って降りる。30メ−トルくらいあるのか。吊り橋でキレットを渡るとここから急なのぼりが始まる。雪で足場が見えないうえに鎖は雪の下だ。ストックで鎖を探しては注意深く足場を確保して登る。この登りは私が先頭だ。80メ−トル位の登りか。やがてピ−クに出る。少しくだれば西湖湖畔桑留尾への分岐の標識を見る。やがて十二ケ岳の山頂だ。ここからも富士山が大きく見える。眼下には西湖が左手には河口湖が見える。目の前に足和田山稜が見える。一日中こんな大きな富士山を眺めていると慣れっこになって贅沢だが見飽きたというような気持ちとなる。深田久弥は「日本百名山」で「富士山は偉大なる俗物だ。」と書いているが実感できる。鬼ケ岳への縦走は今回止めたほうがよさそうだ。帰りは桑留尾尾根をくだって西湖湖畔の国道に出る。見ると目の前に「いずみの湯」と書かれた大きな看板が出ている。立ち寄りの温泉施設だ。右手の駐車場は大変な車の数だ。時間も2時半だ。ここで入浴してのんびり帰ればよい。玄関先の公衆電話からバスセンタ−に電話を入れて5時8分の新宿行きを予約する。大きな浴槽で本当に気持ちが良い。風呂から出れば大広間の隅でジュ−スを買ってザックに残っていたクラッカ−を食べる。こんなに大勢の人がいても登山者の姿らしきものは無い。もっと皆さん歩かれたほうが良いのにと思う。余計なお世話か。4時8分のバスで河口湖に出て新宿に7時過ぎに帰り着く。


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