239.2000/7/21 四阿山(百名山)

前夜、戸倉の義兄宅に泊めてもらい翌朝戸倉から車で鳥居峠まで送ってもらう。
鳥居峠の標識があり、林道が北に真っ直ぐに延びている。大きな標識の下に「ずら」と「だんべ」の国境と書かれている。ここは西が長野県小県郡真田町、東が群馬県吾妻郡嬬恋村との国境なのだ。早朝でもあり、駐車場もがらすきだ。

送ってくれた車を見をくって7時に林道を歩きだす。人影はない。砂利が敷き詰められて歩きやすい林道だ。道の両側はカラマツの林でなかなか気持がよい。

林道の終端で登山道は西側の尾根を登る的岩コ−スと東側の尾根を登る花の童子コ−スに分かれている。両コ−スは2040mの地点で合流する。今日は的岩コ−スだ。林道から続く作業道に入る。登りだしてからどうも正規の登山道ではないに気が付く。正規の登山道は沢沿いに登って尾根に取付くのだ。的岩はこの尾根上にあるのだから、この斜面を登り尾根を辿れば間違いあるまいと勝手に決め込んで歩く。緩やかな作業道に切り出したカラマツの集積を見る。道はすこしくだりになる。不安になってふっと左手を見上げると岩の切れ落ちた先端が目に入る。的岩だ。

的岩の写真1 的岩の写真2 斜面一面に咲くニックキスゲ


この作業道から少しあがって見ると屏風状の岩の下にふみ跡が北に続いている。やがて的岩の始りの地点に出る。ここで右手に下の沢から登って来る登山道を見る。正規の登山道に出たようだ。一安心だ。こうなると行き掛けのお駄賃ということで岩の先端に登ってみる。ただこの城壁のような岩の上は幅がありそうだがとっかりが見つからない。

気が付くと下に人の気配がする。危ない事はやめたほうがよさそうだ。下におりると中年の登山者がいる。この方は正規の登山道を登ってこられたようだ。この後、この方(茨城の鹿嶋から来られたFさんと後ほど知る。)と一緒に登りだす。

樹林帯の中の登山道で風も爽やかで快適だ。登りは順調なはずだが寝不足もあってなかなか調子が出ない。Fさんは山野草に詳しいようでときおり足を止めて登山道脇の花に目を留められる。クルマユリ等名前を教えてもらう。コメツガのおおい樹林帯だ。登山道からコメツガの木の枝を潜り抜けて斜面に出てみる。一面ニッコウキスゲの大群落だ。二人でひとしきり写真を撮る。

やがて2040メ−トルの分岐に出る。東屋があり、ここで休憩だ。シュラフでもあれば充分寝れそうだ。開けた緩やかな尾根を歩き、急な道を登り樹林帯に入るとやがて木の幹に「妻恋清水」の標識を見る。

ザックを置いて水場に向かう。斜面の笹を切り開いた道で滑りやすい。小さな塩ビ管から冷たい水が出て入る。何杯も飲む。これで息を吹き返した。水筒にも詰めた。

冷たい水を飲んで一息いれた所為かこの後は順調だ。根子岳からの道との合流すると直ぐ山頂だ。Fさん12時を回っているといっている。ということは5時間だ。山頂には結構人がいる。鳥居峠からの登山道では会った人はいなかった。皆さんは根子岳、バラキ高原のスキ−場のリフトを使って登ってきたようだ。

山頂は細長く西に信州祠、東に少しいった所に上州祠がある。お天気はよいがモヤッテ展望はいまいちだ。根子岳が北西に見えるがガスが北から西に流れて写真にはならない。ガスの切れ目を見ては写真を撮る。今日は全般にモヤッテ写真には余りいい条件ではない。

下山開始だ。往路を戻る。2040メ−トル分岐の東屋で小休止だ。ここからは花童子コ−スだ。このコ−スは開けた尾根道で登山道の両脇はニッコウキスゲが咲いている。
花童子の宮跡だ。ここにも東屋がある。やがて斜面にニッコウキスゲが咲きその斜面を折り返し折り返し下る。やがて賽の河原という石ころの点在する平地に出る。ここにも東屋がある。辺りは低い白樺が点在する。緩やかにくだるとやがてミズナラノの林に入る。林道終点の案内板が笹原越に見える。

林道をくだる途中から鳥居峠と書かれた標識があるので脇道に入る。この道はまっすぐに両側に深い笹原が続く道で歩きやすいが単調だ。途中、的岩への道の入口を見る。

やがて林道に合流するとゲ−トは近い。今朝はこの脇道に気が付かなかった。ゲ−トに到着だ。鳥居峠だ。右手の駐車場の前にある売店で2人で蕎麦を食べる。

Fさんは前夜この道路の向かい側の駐車場に車を入れて車の中で寝たそうだ。今夜も車で寝て明日は草津白根山だそうだ。この後、車で吾妻線万座鹿沢駅まで送ってもらう。丁度、5時12分の高崎行きの電車に間に合う。高崎で乗り換えて上野に帰り着いた。
(付記車中でデジカメを見るとなんと日時の設定を間違えて日付までしか写りこんでいない。大失敗だ。そんなことで出発の時間と山頂到着のおおよその時間だけで時間の記録はない。)


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