山紀行
西沢渓谷
新宿、高尾と乗り継いで9:40塩山駅におりる。西沢渓谷行きバスは10時30分だ。タクシーの運転手さんに相乗りを勧められる。バスでは寄り道をするので1時間10分かかるそうだ。タクシーでは30分で行けるし料金も相乗りでは安いという。タクシ−に5人乗る。運転手さんと話をするが後部座席の3人は無言だ。そのうち甲武信岳にも登りものだ。雁坂峠に長いトンネルが97年に開通するとこの辺りも変わるのだろう。 東沢山荘で車を降りる。結構な賑わいだ。お土産屋さんの店先に蓬の草団子が見える。主の話では今日は観光バスが30台近く入るとのことだ。奥では箱に詰める作業で大わらわだ。お土産は帰りとしても2個買い行儀が悪いが林道を歩きながら食べる。うまい。ザックには大月で買った駅弁が入っているが、こんなことなら買うのではなった後悔しきりだ。西沢山荘の前から山道にはいる。右手の林の中に田部重治の「笛吹川を遡る」からの一節を刻んだ碑がある。この前の道を少し下る。東沢と西沢の出会いだ。東沢に掛けられている吊り橋を渡りきったところが西沢の左岸だ。吊り橋を渡りきって少し登ると、ここから西沢が始まる。右岸に最初の大久保滝が見える。これは失礼ながらありきたりな景色だ。 魚止ノ滝 少し登って下り斜面をおりる。下りた左岸はテラス状で覗き込むと流れが右から左に白い奔流となって走る。正面が三重ノ滝だ。 人面洞、龍神ノ滝、恋糸ノ滝、貞泉ノ滝、母胎淵と続く。 いよいよ最後だ。沢を詰めたところにこの渓谷最大の滝が控えているのだ。左岸から右岸に渡る。右岸を巻き登ると正面にこの渓谷のハイライトの七ツ釜五段ノ滝が見え出す。 ここを登ると軌道跡の広い道に出る。大勢の人が食事をしている。ここからが黒金山への登山道の始まりだ。黒金山を経て乾徳山に登れるのだ。 軌道跡を下る。所々にレールが残されている。この道は西沢の右岸のかなり高いところにある。 西沢渓谷の終わりだ。 1:30 林道にバスが3台駐車している。駐車場に入りきれなくて林道のゲートを開けて入れたようだ。駐車場には大型の観光バスがずらりと並んでいる。30台以上入っている。1台50人としても1500人以上があの狭い道を歩くのだ。巻き込まれなくてよかったと思う。 バス停の時刻表を見ると塩山行きのバスは2:36だ。1時間近くも待たなければならない。こうなるとまたタクシーの相乗りだ。

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