山 紀 行
丹沢主脈縦走

第1日 下丸子(6:51)=秦野(臨時バス=ヤビツ峠−−富士見山荘(10:15)−−登山口−−(11:20)二ノ塔−−(11:35)三ノ塔−−(12:11)烏尾山−−(12:33)行者岳−−(1:13)新大日ノ頭−−木ノ又大日−−塔ノ岳−−鍋割山−−塔ノ岳(尊仏小屋泊)
第2日 塔ノ岳(6:30)−−丹沢山−−(8:20)不動の峰−− (8:29)棚沢の頭−−(8:45)鬼ケ岳−−(9:10)蛭ガ岳 (10:05)−−原小屋平−−(11:25)姫次−−八丁坂ノ頭−−黍殻山−−(1:07)烏屋の分岐−−長野分岐−−焼山−−水浴所沢林道−−焼山登山口(4:19)−−三ツ木=相模湖駅(18:54)=(20:46)下丸子

秦野駅前のバス停の人の波を見て驚く。登山者が長蛇の列だ。臨時バスがどんどん出ている。超満員のバスで身動きもできない。1時間近く揺られ峠近くでは気持ちが悪くなる。しかも空腹が利いてくる。バスを降りてからひと休み。バス停前の売店で缶入りのポータジュを飲み、やっと気持ちが落ちつく。最後尾から車道を下り富士見山荘に向かう。登り始める。初めての丹沢、奥多摩とはちがう景色に胸がときめく。若い人も多い。二ノ塔のベンチで隣をみて驚く、今朝下丸子駅で会った若い人だ。次は三ノ塔だ。休憩所がある。横では髭もじゃの男一人テントをはり、本を読んでいる。ここからの展望は霧で良くない。烏尾山も同様だ。ここは黒土の頂上だ。雨が振ればぬかるみだ。ここも霧で展望は良くないが、尾根の風景は楽しめる。沢山の登山者の後をついてどんどん歩く。塔ノ岳の頂上に到着だ。塔ノ岳の頂上は風が冷たい。人も多い。展望もほどほどだ。寒さの中で食事をする。鹿が近くまで来ている。登山者に食べ物をねだっている様子だ。2時近くだ。尊仏山荘に無線公衆電話がある。家に電話をする。泊まれるならば泊まりたいものだ。満員で布団1枚に二人で良ければという。食事付きでお願いする。2食付きで5000円だが、新ハイの会員証を見せると4500円という。山荘の中は超満員だ。夕食までまだ3時間近くある。壁の案内図を見ると鍋割山まで1時間の行程だ。3時に出れば5時に帰れる。意を決しザックを置き、軽装で鍋割山まで往復(2時間)する。霧で展望は良くないが、笹原、ブナの樹形にしばし見とれる。塔ノ岳に戻り水場に行く。水場の近くに若い人が一人テントを張っている。あたりはもう真っ暗だ。ヘッドランプで戻る。山荘はさらに人があふれている。真っ暗の中を心配げに子供連れの夫婦が入ってくる。夕食はカレーだ。山荘の2階は宿泊者で一杯で、布団1枚に2人で寝る。隣の中年男性と寝ながら話をする。腰痛でリハビリをかねて歩き始めた由。会社まで歩くそうだ。調子がよいと言う。少し脚をのばすと何かにあたる。あわててあしを縮める。疲れているせいか寝てしまう。朝5時頃、人のざわめきで目をさます。あらためて足元を見回すと女性が3人並んで寝ている。昨夜足に当たったものは女性の頭だったのだ。昨夜は失礼なことをしたものだ。日ノ出は6:02とのこと。まだ早いが、外に出てみる。秦野や伊勢原の明りが見える。月が中空に輝いている。外は冷え込んでいる。シカが2頭、山頂に来ている。登山者に食べ物をせがんでいる。富士山、山中湖が見える。今日は天気は良さそうだ。朝食はおでん。それにしてもご飯にのっている沢庵には閉口する。出発前、雲取山で会った親子連れに会う。小学3、4年生か。 6:30出発、朝から感激の連続だ。丹沢山、不動の峰、鬼ガ岳、蛭ガ岳からの展望に満足。とりわけ不動の峰の頂上のブナの樹形に見とれる。3、4枚取ったところでフイルムがない。残念だ。高くても山荘で買うべきだったとしきりに後悔する。尾根で谷からの冷たい風に一息いれる。蛭ガ岳で早めの昼食とする。ここで充分休憩を取る。蛭ガ岳からの下りではストックが折れる。このあとは雑木林の中の道であまり変化なく軽快に歩くだけ。汗ばんでくる。我慢できず途中で人影の無いのを見越してズボン下を脱ぐ。原小屋は火事で焼けて跡だけだ。何人かのパーティーが休んでいる。いよいよ姫次だ。ここでカラ松林を背景に蛭ガ岳をしばし眺める。案内板によるとこのあたり東海自然歩道の中で一番標高の高いところだそうだ。神奈川県美林100選のカラ松林はなかなかだ。途中の黍殻山の避難小屋を覗いてみる。小屋の前は園地があり、一見山の中にいるような気がしない。すこし歩いたところに水場がある。水場に立ち寄る。下りるとき随分滑る。冷たい水で汗を拭う。登りにアイゼンを使う。効果抜群。焼山まであと少し。焼山でゆっくり休憩を取る。焼山から一気に西野々に下りる。バス停で若いカップルに声をかけられる。無事下山した安堵感からか、なれなれしく話しかけてくる。バス停で土地の老人に話しかけられる。休日は道路が混んで困るとのこと。反対側に渡るのに困るほど行楽地帰りの車の列だ。橋本に行くより、逆方向の中央線相模湖駅に向かうほうがよいと勧められる。それでも道路が混んでいる。JR車中は登山者でかなり混雑している。車中、男女二人連れの登山者がヤビツ峠護摩屋敷橋の水について話しているのが聞くともなしに耳についた。次に丹沢に行くときには必ず寄りたいものだ。


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