追憶の百名山 日光白根山(1997/8/15)

河合隼雄先生の講演を聴く(2020/10/4)


「9月の4連休、毎日、通っている銭湯「都湯」の女将に教えられてロビ−の出窓に飾ってあるサボテンが花を咲かせたことを教えられ写真を撮った。
 この写真を3枚ばかり高校、大学時代の友人達にメ−ル添付で送ったところ、皆さん退屈をしているようで近況報告を兼ねた返信メ−ルを頂いた。

 私はこの4連休はyoutubeで心理学者河合隼雄先生の講演3本を聴きました。

1.「現代人と心の問題」
2.「新しい親子関係について
3.「コンステレ−ションについて」(京大退官最終講義)

 河合先生は京大理学部数学科を卒業し,大学院に籍を置きつつ高校の教師を3年されて心理学の研究者の途に進まれた。アメリカのカルフォニア大学、スイスのユング研究所に学ばれユングの心理療法で著名な方である。

☆現代人と心の問題
 かっては心の問題の解決を禅に求める人は大勢おられました。漱石の小説に北鎌倉の円覚寺に参禅し心の問題の解決を求めた話が書かれているが解決をしたとは書かれていません。

 youtubeでNHKカルチャ−ラジオ(昭和史を語る)で谷崎潤一郎の話を聴いたが、何回目かに自殺する直前の芥川龍之介の様子を語っている。文学上の何か悩みに直面しているのであろうか、谷崎の口を通して語られる様子は痛々しい限りである。谷崎のような先輩にも相談することは出来なかったのであろうか。

 漱石や芥川龍之介のような高名な知識人は相談する相手などいないようで、おまけに弱い己をさらけ出すことはプライドが許さなかったのであろう。

 普通の人は心の悩みが昂じ、健康に影響が出れば精神科を受診して医師の診察を受け、薬を投与されるであろう。しかし、これで心の問題が解決するかというと簡単な話ではないと思う。

 河合先生の講演を聴いていて一番感心したのは悩む人の話をひたすら聴いてあげて悩む人自身が自ら解決策に到達するように向き合うということだ。悩む人に寄り添って話を聴くという療法である。禅のように自問自答して自ら心の問題に向かい合うというような難しい対処の仕方と異なって私のような平凡な人間でも理解できる話だ。どんな人間でも他人から言われて理解でき納得できる程度の悩みであれば悩むことなどないであろうとさえ思う。

☆新しい親子関係について
 かっての祖父母が同居していた時代と現代の核家族時代とでは社会的経済的諸条件が異なり、そこで新しい時代にふさわしい親子の在り方を考えなければならないという。私自身はすでに息子娘は成人していて手遅れだが、結婚して間もなく、これから子供を産み育てようとする若いお父さんお母さん方には是非聴いて欲しい講演です。

 私はこの4連休、youtubeで幾本もの講演を聴きました。

(私がこの下りを声を出して読み返していると家内に側からお父さんは聴きながら居眠りをしていたとまっぜかえされた。)

 私は講演を聴くことが、とても気に入っていますが、これは大学1年の時に全学特別講義で永井道雄先生の講演を聴いたことがきっかけです。このことはこのHPの「講演を聴く」をお読み下さい。どうも私は来年八十になろうという歳のわりには好奇心が旺盛のようです。かってはNHKラジオ第二で放送されていた教養講座や文化講演会をIpodに収録して丹沢大倉尾根を登りながら聴いていました。現在はyoutubeにNHKがかって放送したカルチャ−ラジオ、文化講演会、歴史再発見等々をどんどん載せていますので便利になりました。
 広く江湖の皆さんにご視聴をお勧めします。
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