追憶の百名山 御嶽山山頂からの展望(2008/8/18)

戦後75年 終戦記念日(2020/8/15)


 私は1945年8月15日の終戦を満州奉天で迎えました。4歳ですから格別の記憶はありません。奉天は戦災の被害はありませんでしたが、ソ連軍の進駐があり、昼間は治安が保たれているのですが、夜間はソ連兵が略奪に出るので戸締まりを厳重にしてひっそりとしていたようです。1946年7月、父は出征していたので母、私、弟の3人で北海道旭川の祖父母の元に帰りました。引揚時の奉天駅駅前の光景、炎天下、走しては止まり走しては止まる無蓋貨車に乗っていたこと、コロ島の収容所、引揚船の中で私のした悪戯、博多で背中にDDTを吹き付けられたこと等々断片的に思い出します。これらのことは今は亡き母に話して「あんたよく覚えているね」と感心されたことを懐かしく思い出します。こういう次第で私にとって太平洋戦争は特別な思いがあるのです。

 2014/10/7ノンフィクション作家保坂正康氏が「昭和史から何を学ぶか 戦後70年 語る・問う」と題して日本記者クラブで行った講演をご紹介します。下記をクリックしてお聴きください。

https://www.youtube.com/watch?v=CLePIU6xkOg 

保坂先生はYOUTUBE NHKカルチャ-ラジオ(またはNHKラジオア-カイブス)(司会進行宇田川アナ、解説保坂正康)で「声でつづる 昭和 人物史で昭和に活躍された方々を紹介されています。

 順不同ですが、以下の方々のお話を聴きました。
昭和天皇、三笠宮、秩父宮、山本五十六、渡辺和子、鈴木貫太郎・タカ、浜口雄幸、長谷川如是閑、石橋湛山、東条英機、宇垣一成、高橋是清、近衛文麿、犬養毅、幣原喜重郎、斎藤隆夫、下村宏、徳富蘇峰

☆渡辺和子についてのコメント
 二・二六事件での教育総監渡辺錠太郎大将殺害の様子を聴くと何ともいえない気分となります。私は公的な面での渡辺錠太郎大将のことは高宮太平「順逆の昭和史」「昭和の将帥」を読んで知ってはいますが、私的な面での大将の生い立ち等はこういう放送で知りました。何年か前の2月に確定申告時、渋谷税務署に行った折、二・二六事件慰霊碑の前で花を手向けている刑死者の身内の方々とおぼしき大勢の人をみた時複雑な気分におそわれました。

☆犬飼毅についてのjコメント
 五・一五事件のおり犬飼首相が押し入った海軍士官達に「話せば分かる」と言ったところ、海軍士官達が「問答無用」と言って凶行に及んだ話は有名です。何年か前朝日新聞で読んだのですがこの話にはウラがあり、昭和3年6月4日奉天近郊で起きた張作霖爆殺事件(満州某重大事件)に関係しているというのです。殺害された張作霖の自宅から犬飼毅政友会総裁名の領収書が出てきて、これが海軍士官達の手に渡り、彼らがこれは何だと示したところ、犬飼首相が「話せば分かる」と応じ、これに対して海軍士官達が「問答無用」と応じたというのです。是非、この真相を調べて欲しいものです。

☆徳富蘇峰についてのコメント
私は徳富蘇峰が「近世日本国民史」の著者でであり、日本近現代史に関する本を読んでいると、時折、徳富蘇峰の名前を見かけますので名前は知っています。著作は読んでいませんが、清沢 冽「暗黒日記」に記されている徳富蘇峰に対する厳し人物評、吉野作造の徳富蘇峰「大正の青年と帝国の前途」に対する皮肉一杯の書評は読んでいますので、「終戦後日記」が出版されるといかなる言説が書かれているかに興味を持ってこの書を読みました。この一書だけで読むのを止めました。今回初めて彼の肉声をを聴きました。彼の言論人として行動には疑問が残りますが、それにしても保坂先生の徳富蘇峰評には正直なところ少なからずもやもや感が残りました。
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