丹沢表尾根三の塔の地蔵

塔ノ岳 (2019/11/2〜4)


 11月2日3日4日と6年ぶりに小屋泊まりで丹沢を歩いた。このところ登っている高尾山は少し物足りないし、そうかと言って丹沢は年々きつくなってきて気楽に登るわけにはいかない。最後の見納めかと思いこの連休を利用して烏尾山荘、木ノ又小屋に泊まって表尾根、大倉尾根を歩いた。

 山道を歩きながらいろいろなことを思い出した。歳も歳だし、寂しさが身にしみる。「老いて、病んで、死ぬ」のが当たり前とはいっても、そうそう簡単に割り切れるものではない。生きるということに限りがあるからこそ、今、生きているこの一瞬一瞬を大事にしなければならないのだ。

 大倉尾根ではNHK第2の教養講座をipodで聴きながらひたすすら足元を見つめながら登った。この大倉尾根はこうでもしなければ登れなかったのだ。

 たまたまこの大倉尾根で「戦艦大和の最期」(吉田満)を聴きながら登って山頂にたどり着くことができた。その後、遠藤周作、鈴木大拙の講演集のカセットテ−プをPCでmp3フアイルに変換して聴いた。次いでCDの「奥の細道」(松平定知アナ朗読)、小林秀雄講演集、「断腸亭日乗」(永井荷風)、太平記、歎異抄を購入しitunでmp3フアイルに変換して聴いた。新しいところでは「日本の名作」、「幕末史」(半藤一利)も聴いた。

 CDやカセットテ−プはそれなりに表装などにコストがかかるため高価で最終的にはNHK第2の教養講座を録音してipodに収録して聴いた。

 youtubeで山本周五郎、池波正太郎、藤沢周平の朗読を聴いたが、それにつけてもNHKのラジオをで放送している「教養講座」がYOUTUBEのように聴くことができないものかと思うことだ。ラジオ放送は時間の制約もあるし、録音するにしても機器の操作など面倒なことばかりだ。NHKはこういう膨大な文化資産を所有しているのだから何とか考えてもらいたいものだ。

 尊仏山荘では小屋の主の花立さんに丹沢に登るのもいよいよ最後になりましたとご挨拶をした。大倉尾根を登るといつもここでコ−ヒ−を飲んで一休みをしてから表尾根を下って木ノ又小屋に泊まるのを常としていた。山小屋に泊まったのもこの小屋が初めてであった。

 花立山荘でお汁粉を食べた。大倉尾根を登るときは何時もここで豚汁を頼んでおにぎりを食べた。ここまで登れればとほっと一安心をしたものだ。

 堀山の家でコ−ヒ−を飲んで一休みをした。小屋の主のナツ子さんは何時もクッキ−やらおでんを出してもてなしていただいた。この小屋は大倉尾根の丁度中間にあって一休みをするには都合がよいのだ。

 観音茶屋で昼食代わりに牛乳プリンを3つも食べた。この牛乳プリンがこの茶屋の名物で大倉尾根を下るとき、この茶屋が開いているときは立ち寄って食べるのを常としていた。

 大倉はどんぐりハウスが閉鎖されていて寂しい感じがした。

 山頂から順に大倉尾根を登るときに立ち寄った山小屋を紹介しましたが、最初一番苦手としていた大倉尾根が私の一番登った登山道となりました。大倉尾根をバカ大根などと評する向きもありますが、私にとっては最高の思索の場でありました。

山行デ−タ
11/2
二の塔登山口10:40二の塔11:58三の塔12:38烏尾山荘泊
11/3
烏尾山荘7:45行者岳新大日木ノ又小屋9:37(泊)塔ノ岳往復
11/4
木ノ又小屋7:47塔ノ岳8:20花立山荘9:02堀山の家10:20見晴小屋観音茶屋12:27大倉13:13
 戻 る