追憶の丹沢冬景色
(2005/1/22  丹沢表尾根で撮影) 
私の願い(2019/2/13)
             
 私は現在78歳ですが、この歳となると文庫本などは活字が小さくて目がつらいのです。つらいというより読めないのです。正月休みは風邪気味なので早めに床についてIpadを利用してyoutubeで池波正太郎の鬼平犯科帳、野村胡堂の銭形平次捕り物控、山本周五郎の日本婦道記をはじめとするいくつかの小説、坂口安吾「織田信長」、「太平記」(尾崎士郎現代語訳)、「歎異抄」(朗読三国連太郎)、を聴いていました。今は山本周五郎の「樅ノ木は残った」を聴いています。

 読書の形態が紙の書籍に限らず、電子書籍が少しづつ市民権を得てきております。電子書籍は大きなフォントで読めますから年寄りには欠かせない存在となると思います。いまではこういう新しい手段での読書に変わってきているのです。アルビン・トフラ−のいう「第三の波」が社会をしっかりと浸しだしてきていることを実感します。とにかく朗読や講演が自分の都合の良い時間に聴くことができるのです。

 私は何時の頃かはっきりとした記憶はないのですが、NHKのラジオ第2放送で歴史、文学、詩歌等の「カルチャ-講座」、「朗読の時間」、「日曜講演会」を聴くことを楽しみとしていました。とりわけこれらの放送をmp3フアイル形式で録音できる機器が出てからはこれらをIPOD等のモバイルプレイヤ-で聴いていました。3か月12回の連続講演の「移動と空間の世界史」「近代日本の外交の歩み」「イギリス映画論」「心医者入門「」芥川龍之介」「関ヶ原合戦」「毛利元就の手紙」、朗読で五木寛之「親鸞」、芥川龍之介「煙管」、葛西善蔵「馬糞石」、幸田露伴「葦声」、「太郎坊」等は今でも記憶に残っています。

 NHKはこういうカルチャ−の分野については膨大な音源を保有しているものと思われます。かかる文化財を死蔵することなく広く世のために公開すべきではないでしょうか。私のような年寄りより若い世代の高校生や大学生にとっての貴重な教育財になるものと信じています。そういう物理的な環境が現実に整っているのです。

 私は、5年前にネット上からNHKにこういう要望を投稿しました。残念ながら受け取ったとも、将来の課題として検討するとも何らの返答もいただいておりません。私ごとき一庶民の要望に耳を傾けることはないのでしょう。多くの皆さんがこういう要望をNHKに投稿していただければ状況は変わるのではないかと一縷の望みを持っています。大勢の皆さんのご賛同をお願いいたします。

注記 新年の挨拶を2月までも載せることはあるまいとHPの更新を考えていましたが、歳も歳となると山に行くこともかなわず更新の種がないのです。PCに保存している写真から2005年1月22日に丹沢表尾根で撮った写真を追憶の丹沢雪景色としてこういう一文を書いてHPを更新することにしました。
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