第382回山行報告 塔ノ岳(’10/10/16〜17)
 8月5日から7日百名山加賀白山に遊んだ。今夏、百名山をもう一座どこか遠出をしたいと思っていたが、かなわなかった。9月もエンジンがかからないまま過ごした。10月になって今月こそと思ったが、先週の土日は家にいてなにをしたか思い出せない始末だ。2ヶ月以上の空白が出来ると億劫さばかりが先立つ。
 最近、新聞広告で半藤一利先生の講演幕末史CD15枚組を知り早速購入して全巻をmp3形式のフアイルに変換してZENに入れた。通勤の電車や家で聴いたが、細切れで何とも物足りない。今度はこれを大倉尾根で通して聴きたいと思った。とにかく今度の土日はなんとしても山行だと決心をした。

 9時35分大倉から歩き出した。同じバスで来た皆さんが出発された後、次のバスが到着するまでの間に歩き始める事にしている。とにかく今日は半藤一利「幕末史」を聴きながら登るのだ。これが私の大倉尾根完登の秘訣だ。

10時28分見晴小屋(12分休憩)
時間記録失念一本松
12時1分堀山の家(13分休憩)
時間記録失念小草平
13時41花立山荘(20分休憩昼食)
14時28分塔ノ岳山頂
15時9分木の又小屋

 第1巻「黒船来航、尊皇懐夷の始まり」上、第2巻「黒船来航、尊皇棲夷の始まり」下、第3巻「幕府の衰退、安政の大獄」上、第4巻「幕府の衰退、安政の大獄」下、第5巻「咸臨丸出航、公武合体論」と聴いたが、最後は集中力が続かなくなった。

 15時9分木ノ又小屋に着いた。大倉からの所要時間は5時間34分だ。2ケ月もブランクがあると1時間以上の延着だ。Sさんが来ておられる。私がこの木ノ又小屋を定宿にしているはこうした顔見知りの方とストーブを囲んでランプの下で話をする楽しみがあるからだ。山歩きに話をする楽しみが加わるのだ。

 8時15分木ノ又小屋を出た。稜線は秋の訪れを実感させてくれる。ハコネギク(?)が登山道のあちこちらで見られた。8時46分塔ノ岳山頂に出た。ガスって富士山は見えない。直ぐに尊仏山荘に入ってコーヒーを飲んだ。花立さんとひとしきり四方山話だ。大野さんが鬼が岩で怪我をして、入院をしているとかで下りはよくよく注意しなければと思った。
 9時35分小屋を出た。「幕末史」があるので今日の下りは大倉尾根だ。

第6巻「慶喜と春嶽の政治改革、京の街はテロの嵐」
第7巻「下関戦争、薩英戦争、蛤御門の変」
を聴きながらゆっくりゆっくりくだってきた。これで、今日は打ち止めだ。

 観音茶屋で昼食にした。堀山の家の人たちであろうかぼっか姿の5,6人が到着したのを機に小屋を出た。13時7分大倉に帰り着いた。

 家に帰って家内の用意した衣類一式を持って直ぐに銭湯に行った。爽快な気分で、浴槽につかった。途中で引き返そうかなど弱音を吐いたことなど、すっかり忘れてしまった。風呂から出て体重計に乗ったが 1. 5キロ落ちているではないか。思わずにんまりとした。毒素なんかがあるはずがないことは先刻承知だが、体の中にある毒素という毒素を全部汗と一緒に出した感じだ。身も心もすっかり軽くなった気分である。講演も聴いた。やつはり月最低でも 1回は山に行かなければと思った。とにかく満足感で一杯であった。


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