第372回山行報告 百名山乗鞍岳(’09/8/18〜19)
久しぶりに山に行こうと思った。5月6月7月は身辺多事で、すっかり山はご無沙汰していた。天候も15日以降安定してきた。この時期出かけるとなると百名山だ。そうなるとかねてからの懸案の乗鞍岳だ。山行の間があいても乗鞍岳なら大丈夫だろうと思う。高山植物を写真にとってのんびりする山歩きも悪くはないと思った。
 新宿発7時の特急を利用して松本、新島々、乗鞍観光センターと電車とバスを乗り継いで登山基地の畳平(標高2700m)に12時50分に着いた。長居は無用とばかりに1時5分に歩き出した。肩の小屋へはコンクリートの歩道と砂利の車道を歩いた。小屋の少し先には東大の宇宙線観測所の施設があり、小屋から見上げる摩利支天岳の山頂にはコロナ観測所のドームが見える。小屋で宿泊の手続きを済ませてから富士見岳(標高2817m)、コロナ観測所のある摩利支天岳(標高2872m)にカメラを持って散策した。百名山のピークハントだけなら剣ヶ峰を往復しても2時間足らずだから日帰りも可能かもしれない。車で来ている人達は皆さんそうするようで小屋は閑散としている。明日、のんびりと登って写真を撮って、温泉で一浴びして帰ろう。 散策から戻って小屋の売店の前のベンチでコーヒーを頼んでのんびりと時間を過ごした。山からおりてこられた小屋の関係者と思しき方とひとしきり話した。6時頃雨が降る。すぐに止んだ。もっと降ってくれたほうが、明日はいいのだがと思ったがそうはいかない。今夜は星空は期待できそうもない。夕食は高年者ばかり10人で静かなものだ。部屋も個室で話し相手もいないとなるとすることもないので7時には床に就いた。
 翌朝5時半ころ目が覚めた。お天気はよい。ただ肌寒さを感じる。食堂の温度計は10度を指している。7時少し前に食事をしてサブザックで歩き出した。登山道もよく整備されていて歩きやすい。高度が上がるにつれて宇宙線観測所の建物や、肩の小屋が眼下に見える。次第に小屋の前で見上げていた摩利支天岳山頂にあるコロナ観測所のドームが下に見えだす。南には御嶽山の大きな山容を見た。一寸意外な感じだ。以前木曾駒が岳から空木岳を縦走したとき朝日に浮かんだ御嶽山を見た時は山頂部に残雪があったせいか、なんだか神々しい感じがしたのを思い出した。見る位置にも関係するかもしれない。正面から横に連なる山容を見るのと縦から見るのとでは受ける印象が違うのは当たり前からも知れない。朝日岳の南側の稜線に出た。西側の一部に雪渓が残り、権現池がみえる。
振り返り北を見ると北アルプスの山岳が見える。近くを歩いていた人が笠が岳だ、槍だ、穂高だと名前を挙げている。槍が岳はすぐに分かった。山頂の直下まで来た。鳥居と人影が黒いシルエットで見える。これを入れて写真を撮った。こういう人のシルエットを入れて写真を撮ると引き立たつような気がするのだ。山頂でひとしきり360度の展望を楽しんだ。茨城から来ているという若い人とシャッターの押し合いをしてひとしきり雑談だ。登りに見た時はは閉まっていた頂上小屋が小屋の主が登ってきたようで営業準備中だ。小屋の主は昨日夕刻肩の小屋の前でひとしきり雑談をした方だ。このままくだっても何処に行くというあてもない。ここでコーヒーを飲んで時間をつぶした。位ヶ原山荘まで車道を歩くことを勧められた。道路の両側に意外と花が咲いていて写真を撮るには穴場だそうだ。肩の小屋から肩の小屋口まで雪渓の横にある登山道をくだった。雪渓ではスキーをしている。登山道の両側はロープが張ってあり立ち入り禁止だ。上から見ているとロープのかなり入った地点で写真を撮っている人がいる。くだると年配の方が戻ってこられて花を前景に剣ヶ峰がいいアングルですよ勧められる。私は気が引けて遠慮することにした。10時15分肩の小屋口から歩き出した。車道を少し歩くと登山道の入り口を見るが、ここはパスして車道を歩いた。成程、側溝の上部にハイマツがかぶり、下にはあちらこちらに花が咲いている。やがて登山道の入り口を見た。見上げると沢沿いの道が続いている。この車道からハイマツや沢沿いの登山道を前景に剣ヶ峰、蚕玉岳、朝日岳を撮る。ここから少し歩くとまた登山道の入り口を見る。ここから登山道に入る。沢沿いの道をくだる。登山道がこうして車道で寸断されている。少しずつ灌木帯になりだすと位が原山荘の屋根が左手下に望見できた。11時5分位が原山荘の少し手前の車道に出た。時間もちょうどよい。山荘でコーヒーを飲んでバスを待つ。ここでバスを降りて登りに取る人は少なそうだ。昨日、二人位バスを降りたのを見た。間もなくおりてきたバスに乗った。バスの最前列に座っていた若い人から声をかけられた。剣ヶ峰の山頂で一緒だった若い人だ。観光センターの隣にある湯けむり館でひと浴びしてさっぱりした。新島々BTまでのバスの車窓から白い花を咲かせているそば畑があちらこちらに目に入った。新島々から松本までの車中では京都から来たという方と隣り合わせ、話をしたので退屈をしなかった。松本から新宿までは高速バスが満席で電車を利用して小淵沢、甲府、高尾と3回乗り換えて8時24分新宿に帰り着いた。特急と比べると2時間余計だが、車中ではZENに入れてある朗読や講演を聴いたので退屈をしない。



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