第369回山行報告 竜が馬場(’09/1/10〜11)
 年末年始、晴天が続いた。金曜日雨が降り、気温が下がった。間違いなく丹沢は雪だと思った。そうなると今度の連休は雪の丹沢だ。これまでの経験では丹沢はどんなに雪が降っても大倉尾根経由で登る塔の岳の登山道は大丈夫だ。天気予報も土曜日は晴れ、日曜日も晴れのち曇りの予報だ。そうなると写真にもなるし絶対に逃せない。

 大倉のどんぐりハウスで味噌汁を頼んでおにぎりを食べてから、10時24分歩き出した。今回は「田沼時代を生きた先駆者たち」(13回分講師鈴木由紀子)だ。歩き出したが人影が意外と少ない。いつものスタイルでゆっくり、ゆっくり歩く。見晴小屋に着いたが2回分がまだ終わらない。寒いがここでひとしきり休んだ。第3回が始まると同時に歩き出した。一本松のベンチではちょっと休憩しただけですぐに歩き出した。寒くて終わるまで聴いていてはいられない。駒止小屋のかなり手前で終わったが、そのまま第4回に入った。駒止小屋も通過だ。内容がとにかく面白くて登山道の退屈さなど苦にならない。堀山の家に入ってストーブの前でコーヒーを頼んで暖を取った。腰のあたりが汗で濡れていて、ひとしきりストーブで乾かす。コーヒーの付録でおでんが出る。これで少し暖まった。第5回は気が散って駄目だ。そのうちもう一度聴くことにして堀山の家からは第6回だ。小草平もちょっと休憩しただけで早々に歩き出した。第7回に入った。この7回「日本の医学観を一変させた解体新書の翻訳」を聴きながら、昔、岩波文庫本「蘭学事始」を読んでえらく感動したことを思い出した。「五色の糸の乱れしは皆美なるものなれども、赤とか黄になるとか一色に決し余はみな切り棄つる心にて思い立ちしなり。」の箇所は今でも記憶している。花立の階段の前でひとしきり休んだ。13時59分花立山荘に着いた。一面雪だ。ここからは雪山モードだ。いつものようにトン汁を頼んでおにぎりを食べた。第8回も聞くともなしに聞いていたがこれでは駄目だ。14時25分小屋を後にした。風が冷たい。とにかく下を見て歩くだけだ。14時57分山頂に出た。晴れてはいるが風が冷たく、尊仏山荘には立ち寄らず、早々に木の又小屋に向かった。表尾根は雪が多い。お手軽に冬山気分が味わえるのだから言うことはない。夜、外に出てみると満月で明るく、昼間のようだ。このまま塔の岳に登ってみたいくらいだ。ランプの下でストーブを囲んで四方山話だ。9時前に布団にもぐりこんだが、持ってきた特大のホッカイロを腰に貼り付けて寝た。寒いのには驚いた。

 翌朝は、のんびりと8時50分に小屋を出て塔の岳に向かった。スッパツと滑り止めのチエーンを付けて、雪山気分を満喫する。大倉尾根越に冠雪の富士山が顔をのぞかせている。振り返れば三の塔の右手にはキラキラ光る相模湾が広がる。山頂に出たが、尊仏山荘には入らず竜が馬場に向かった。意外と人は少ない。ひとしきり写真を撮っていると同宿のMさんが来る。一緒に斜面を登って深いユーシンの谷を俯瞰して冠雪の富士山を撮った。この後、塔の岳に戻り、尊仏山荘で一休みだ。下山は大倉尾根だ。堀山の家に入って、コーヒーを頼み、おでんを食べながら、ストーブで暖を取った。堀山の家からは「田沼時代を生きた先駆者たち」第7回、第8回と聴きながら14時55分大倉に帰り着いた。


戻る