第350回山行報告 塔の岳(06/7/15〜16)
 9時42分に大倉から歩き出した。今日はこれといって聴くものがない。現在、放送されている講演は興味がないし、「文学探訪太宰治」は最初の3回分が収録漏れだし、文化講演会は電車の中でほとんど聞いてしまった。仕方がない。以前放送された「文学探訪芥川龍之介」を通して聴きながら歩くつもりだ。歩き出したがなんとなく調子が出ない。蒸し暑くてやりきれない。汗でびっしょりだ。
 見晴茶屋の端で一眠りだ。長い時間寝ていたせいか、小屋の人にテラスの上から「大丈夫ですか」と声を掛けられる。これを機に歩き出したが、この暑さに元気がない。蒸し暑くてやりきれない。引き返そうかと何度も思うが、とにかく次のベンチまでの辛抱と「ながら族」だ。
 やっと一本松のベンチについた。水を飲んで、ここで一眠りだ。このところカメラでメモ替わりに写真を撮って時間の記録をしているが、今日は歩くのがやっとで忘れてしまった。ここでも相当な時間寝ていたようでここから歩き出すとき始めて丹沢に来たという人に声を掛けられ一緒にしばらく話しながら歩いた。今日は木の又小屋に泊るものですからと言い訳をする始末だ。少しずつ距離を空けられる。駒止茶屋を通過する時は彼はベンチで休憩していた。歩きは遅いが何時ものペ−スだ。
 堀山の家に着いた。今日は閉まっている。ここで飲み物で休憩と歩きながらそればかりを考えていたのでがっかりしてしまった。この場に居合わせた人の話では小屋の関係者全員で今日は富士山に登っているそうだ。ここのベンチでも一眠りだ。起きて歩き出そうとするとき不意に声をかけられる。名前は知らないが木の又小屋で会った人だ。体調が不良で花立から引き返してきたとかで、予約を入れてあるが泊れないとの伝言を頼まれる。
 堀山の家から小草平も、この大倉尾根では一番つらいところだが、何とか登りきれだ。歩き出したら次の休憩地点まで、遅くても休まず歩く。途中で腰を降ろしては歩けなくなってしまう。小草平でも一眠りだ。だんだん眠る時間が短くなった。 雷が鳴り出す。これで雨になったら大変と気合を入れて歩いた。ただ空は明るいし、なんとなく安心している。
 花立山荘に着いた。おにぎりを食べる気にならない。メロン氷を頼んでク−ルダウンだ。バナナを2本食べてやっと落ち着いた。ここも着いたとき時計を見忘れて時間を思いだせない。小屋の人の話では2,3日前は雷と雨ですごかったそうだ。相変わらず雷の音が聞こえる。雨具をザックの上のほうに用意して小屋を出た。一本松のベンチで会った人が来られてここで泊るという。小屋を出るとき何気なく壁の時計を見た。3時10分だ。一瞬アットと思った。相当に時間がかかったことだけは間違いない。
 花立あたりではすごい音が聞こえ出す。金属製のピッケルまがいのストックを使っているので不安が頭をよぎった。そんなこともあってこのあたりからは気合が入って休みなしに歩いた。山頂に着いたのが3時41分だ。6時間だ。この後、直ぐに木の又小屋に向かった。4時に着いた。客は少なく、先客の若い人相手に少し雑談をした。蛍が出るとかで夜寝る前に外に出て見てみるがその気配はない。夜となるとさすが山だ。気温は17度だ。昼間の疲れで快適に眠れた。
 翌朝は5時少しに目が覚めた。夜中に蛍が飛んでいたそうだ。お天気が悪くてHP用の写真が撮れなければと小屋の前にあるノイバラの写真を撮った。食事の後、塔の岳に向かった。朝は涼しくて歩きやすい。昨日の暑さがうそのようだ。塔の岳山頂直下の登りで左手の斜面にウツギの白い花を見る。回り込んで写真を撮る。山頂に出たが尊仏山荘に入る前にと「不動の清水」に向かい顔を洗い冷たい水でのどを潤した。ここでもあちらこちらにウツギの白い花を見る。今回のHP用の写真はこれで決まりだ。この後、山頂に戻って尊仏山荘でコーヒーを飲んで一休みだ。大野さんの話では今年はウツギの当たり年だそうだ。シロヤシオといい、ウツギといい、こういう周期性が認められるのだから面白い。大倉尾根をくだる。花立山荘の階段をおりたあたりで雨がぱらつく。カメラをビニ−ルで包んでザックにしまう。のんびりとくだるが若い人たちがどんどん登ってくるのには驚いた。夏山で北アルプスなどに出かける準備なのだろうか。この後、見晴茶屋に寄って一休みをした。(レンズはタムロン28〜300ミリを使用。 写真はオリジナルが8.73mbの大きさですが、これを696kbまで落として載せました。なんとなくチリチリした感じで残念です。ネットでは120kb位が適当といわれていますが如何でしょうか。) 

戻る