第340回山行報告 塔の岳(’05/11/20)
  9時38分に大倉から高橋英郎「モ-ツアルトの世界」6回分(1回分30分)を聴きながら歩き出した。音楽、とりわけクラッシクには無縁であったが、映画「アマデウス」を見たのがきっかけでモ-ツアルトの音楽を聴きだした。この曲を聴くとあの曲も聴いてみたいとモ-ツアルト事典を参照してケッヘル番号を頼りに中古CD屋で輸入CDを買い込んで聴いた。モ-ツアルトを聴いてからクラッシク音楽に対する先入観が一変した。音楽理論など難しいことは知らないがとにかく楽しく聴いている。モ-ツアルトのことは高橋英郎「モ-ツアルト」、井上太郎「わが友モ-ツアルト」、海老沢敏「モ-ツアルトを聴く」等を読んで一通りは知っているが、その高橋英郎さんが25回にわたってNHKラジオ第二で「モ-ツアルトの世界」を語るのだ。とりわけ来年はモ-ツアルトの生誕250年にあたるという。話を聴き終わった後は音楽だ。あるフランスの文化人類学者がアマゾンの原住民に聞かせたという交響曲第26番を探す。ipodにはモ-ツアルトだけでもCDで150枚近く入れてあるので探すのが容易ではない。やっとSymphonyNOS25,26,27が見つかった。

 1時48分塔の岳山頂に着いた。所要時間4時間10分だ。雑事場の平、一本松、堀山の家、花立山荘と一休みしながら登ってきたが、こういう「ながら族」となると長い登りも苦にならないし疲れは感じない。尊仏山荘に寄らずに表尾根をくだり木の又小屋に向かう。登ってくる人が多い。小屋のスト-ブで汗で濡れたものを乾かしながら窓の外を眺めているとどんどん登ってゆく。尊仏山荘は今夜は満員なのだろう。夜はランプの下でスト−ブを囲んで泊まり合わせた方と四方山話だ。
 翌日、木の又小屋を出て塔の岳に向かう。振り返れば相模湾がキラキラ光って見える。高村光太郎風に「キラリと光っているのは相模の海」と思わず口をついて出る。宿泊客が出発した後の閑散とした尊仏山荘でコーヒーを飲んで雑談だ。花立さんの話では蛭が岳山荘、みやま山荘とも宿泊客が多かったそうだ。この時期、高い山には登れないので遠くから大勢の人が来るようだ。この後、鍋割山を回って下山したが、鍋割山稜はすっかり葉が落ちて晩秋の趣だ。意外と行き逢う人が少ないと思ったが、鍋割山からくだるにつれて登ってくる人が増えだした。くだるにつれて黄葉が多くなる。林道を歩き出すと広い川原の向こう岸に濃い緑を背景に鮮やかな黄葉の木を見た。これが妙に印象に残った。林道はipodで戦没学徒兵竹内浩三作品集(宇治山田にいる姉宛の手紙等)を聴きながら歩いたが、なんともいえない複雑な気持ちとなった。親代わりであったお姉さんはどんな気持ちでこの弟の戦死の知らせを聞いたのであろうかと思うと涙が出た。これは今回で完了した。

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