第329回山行報告 塔の岳(’05/3/19〜20)
 やっと仕事もひと段落した。山歩き再開だ。スギ花粉が気にかかるが山の魅力には勝てない。
10時に大倉から歩き出した。お彼岸だし今日はカンタ−タ歎異抄を聴く。何時もは小休止をする雑事場の平を休みなしに歩いてきた。何度も何度も聴いているので思わず声も出るし、歎異抄の幾つかの章句は覚えてしまった。・・・・・見晴茶屋の少し先の登りにかかる地点で顔見知りのK夫人に声をかけられる。上のほうにKさんの後姿が見える。・・・・一本松のベンチでKさんに追いついた。今日は尊仏山荘泊まりで富士山の写真を撮るそうだ。ここからは話しながら3人で歩くので退屈しない。・・・・堀山の家だ。コ−ヒ−を頼むが、手間取ってなかなか出てこない。飲み終わって小屋の外に出るとKさんご夫婦は出発されたようで姿が見えない。ここからはNHKの文化講演会で放送された山折哲雄先生の「日本人の身体感覚」を聴く。最近、BossMasterという機器をネットで購入した。これはAMFM放送を曜日、時間を予約しておくとj自動的にmp3のフアイル形式で録音してくれるという便利なものだ。モ−ツアルトばかりでは飽きもくる。そんなことでNHKの文化講演会、ラジオライブラリ―、カルチャ−アワ−を録音してipodで聴いているがなかなか面白い。「戦国争乱の群像海賊衆の世界」などは昨今の問題と絡めて面白かった。大倉尾根ではこの手の講演を聴くのが一番いい。長い階段状の登りなどなんのそのだ。・・・・小草平から少し歩き出した所で下山してくる女性から声をかけられる。以前、表尾根で話をした女性だ。このHPを見ておられたようで今日あたり登ってこられるのではないかと注意をされていたとかで驚いた。・・・・花立山荘に到着した。3時間30分だ。疲れは感じない。いつものようにトン汁を頼んでおにぎりを食べる。Kさんご夫婦が到着されたが外のベンチだ。・・・金冷シから雪が残っている。・・・・塔の岳山頂に出た。風が冷たい。Fさんに会う。ひとしきり立ち話だ。・・・・尊仏山荘でコ−ヒ−を飲んで休憩だ。Kさんが到着されたのをしおに小屋を出て木の又小屋に向かう。表尾根はまだ雪が残っている。・・・・久しぶりに中森さんに会う。昨年12月に奥さんを亡くされて以来だ。元気な様子に安心したが、ただ彼の胸中は分からない。
 翌朝は皆さんが出発された後のんびりと起きた。塔太郎がミ−ミ―と鳴いている。中森さんは今日下山するそうだ。なんでも奥さんのお墓が昨日出来上がっていて今日帰りがけに見て帰るそうだ。・・・・塔の岳に向かう。雪が締っていて歩きやすいが風が冷たい。大倉尾根越しに富士が見える。デジカメを出すが電源が入らないのには驚いた。電池に小さなホッカイロを貼り付けてポケットで暖める。・・・・山頂で富士の写真を撮る。風が冷たくて早々に尊仏山荘に入る。客はいない。花立さん、若林さんとひとしきり四方山話だ。今日は丹沢山往復は止めてもう一度表尾根をくだり、書策新道だ。・・・・木の又小屋に立ち寄り、書策新道経由で戸沢出会におりた。林道は歌舞伎名セリフ集(新潮社)を聴きながら歩くので退屈しない。三島由紀夫の「悪の華・・・歌舞伎」の講演を聴いたが、人はこうした芝居を通して人間のことや世の中の機微を教えられたのだろう。ただ物真似をするときは前後に人のいないことを確かめなければならない。素っ頓狂な声を出して聞かれては気でも違ったのではないかと思われる。用心、用心。
お知らせ 木の又小屋は今後完全予約制にするそうで宿泊希望の方は電話(090-3597-2016、0463-88-1483)かメール(kinomatagoya@ezweb.ne.jp)で予約をしてくださいとのこです。
 
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