年頭のご挨拶

あけましておめでとうございます。

 昨年はいろいろなことがありました。後輩や何人かの知人たちを見送りました。これまでもこうしたことがあったはずなのですが、若さもあり、元気もあり何気なく通過してきました。ただ、この歳ともなるとどうしても後ろを振り返ることが多くなります。とりわけ年の暮れにHさんの奥さんからいただいたお手紙が心に重く心に残りました。 お手紙には「母が入院、父が少し呆けてきました」とありました。目を瞑ると工場で黙々と機械を操作されていたMさんのお姿が浮かびます。悲しいし、さびしいが、でもこればかりはどんなことをしても避けられないのでしょう。諸行無常、老いて、病んで、死んであたりまえといってもさびしいことです。呆けたくない。病んで家族に迷惑をかけたくない。この先どんな生き方をしたらよいのか。山道を歩きながらこんな漠然とした言い知れぬ不安や思いに時々襲われます。山小屋で楽しいひと時を過ごした後等、山道を歩きながら何時までこういう楽しいことが続けられるのかと、ふとそんなことが脳裏を掠めます。その都度、堂々巡りでいくら考えても結論は出ません。考え倦んでは、いくら計っても計りきれないのが人間の生死のありようではないか、と開き直ります。結局、今の自分に正直に精一杯に生きるしかないと自分に言い聞かせています。いつかは登れなくなるときが来るのでしょう。でも元気で登れるうちは登ろうと思います。 山友の皆さん、本年もよろしくお願いいたします。平成17年元旦
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