第323回山行報告 塔の岳’04/11/6〜7)
金曜日風呂あがりに体重計に載って驚いた。デッドラインを超えているではないか。とにかく明日は天気もいいし歩かなければならない。準備もなく歩くとなると何時もの大倉尾根だ。大倉のどんぐりハウスでおにぎりを食べる。窓の外を見ると観光バスが駐車しているのが見える。バスから下りたときは気が付かなかったが、百名山ツア−のバスだろう。全国の百名山を目指す人たちは北アルプスや南アルプスのシ−ズンが終われば関東では丹沢や天城山、雲取山に舞台を移すのだ。9時35分iPodで「四つの有縁の歌」を聴きながら歩き出す。これは和讃や歎異抄の中の幾つかのフレ―ズを男女の混声合唱で歌い上げたものだ。とても新鮮に心に響く。 昭文社版丹沢図の登山道をことごとく赤線で埋めたら、気が抜けたようになってこのところ大倉尾根ばかりを登っている。それもひたすら下を見て音楽や講演を聴きながら登るのだ。先日、法事の席で知り合った女性からメ−ルで山の紅葉のコ−スを尋ねられたが、この丹沢はそういうところが意外と少ない。広葉樹の黄葉を見るだけだ。それでもふっと顔を上げたときに見るこの秋の装いがなんともいえない安らぎを与えてくれる。一本松のベンチからは倍賞千恵子さんの歌を聴く。このiPodには持っているCDやカセットテ−プを片っ端から入れているので選択には迷う。リハビリで家にいたとき倍賞千恵子抒情歌全集(全6巻)の新聞広告を見た。昔、倍賞さんのLPが「暮らしの手帳」の試聴室という欄で高い評価を得ていたのを思い出してすぐに買ったのだ。マリア・カラスのオペラの名演集でマダムバタフライやハバネラ等何度も聴くが、倍賞さんの歌も叙情があってとっても気に入った。
堀山の家で一休みだ。尊仏山荘の管理人の大野さんが休憩している。小屋の主の話では朝7時頃百名山ツア−の一行が通過したそうだ。連ちゃんで登っているようで皆さん疲れた様子であったという。花立山荘に到着だ。時計を見ると12時45分だ。10分オバ−だ。トン汁を頼んで皆さんの話を聞きながらおにぎりを食べる。話題は新潟中越地震のことで、何方かが明日はわが身といっている。本当にそうだ。早く余震が収まり、普段の生活に戻られればと願うばかりだ。塔の岳山頂は大勢の人が休憩している。尊仏山荘でコ−ヒ−を飲んで一休みだ。Fさんに会う。この後、木の又小屋に向かう。小屋では久しぶりにKさんやTさんに会う。夕食の後、ランプの下でスト−ブを囲んで皆さんで四方山話だ。7時過ぎか、若い二人組が入ってきた。長尾尾根をくだっていて日没となり、道が分らなくなり引き返したという。山で道に迷ったら元に引き返すのが鉄則だ。よかった、よかったとひとしきり話が盛り上がる。
翌朝、皆さんが出発した後、のんびりと8時25分に小屋を出た。お天気はいい。青空だが気温が高いせいかどんどんガスが昇ってくる。振りかって眺める相模湾が明るく輝いているが境界線はぼんやりしている。塔の岳山頂だ。冠雪の富士山が見えるが、頭だけで下はどんどんぼやけてくる。もっと早く来なければ写真にはならない。冠雪の富士山が丹沢シ−ズンの幕開けを告げているようだ。この後、鍋割山稜をのんびりと歩いて、鍋割山、後沢乗越、二俣経由で西山林道を歩いて大倉に帰りついた。


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