308.’03/11/1〜2)安達太良山

智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、切つても切れない むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは ぅすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に毎日出てゐる青い空が 智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。 (「あどけない話」高村光太郎「智恵子抄」より

今夏は天候不順で夏山の遠出がままならなかった。例年ならすっきりとした気分で、今時分は丹沢を歩いているのだが、その気分になかなかならない。どこか遠出をしなければ吹っ切れない。こうなると百名山の磐梯山か安達太良山だが、今回は高村光太郎の智恵子抄でも知られる安達太良山だ。1日目は安達太良山山頂を往復してくろがね小屋に泊まった。小屋に着いてすぐにと、寝る前にもう一度と二度山小屋には珍しい温泉につかった。
2日目はもう一度登って馬の背分岐から鉄山、箕輪山、鬼面山と縦走して野地温泉におりた。野地温泉では4時16分までバスの便がなく4時間あまりの時間をもてあますが、温泉につかりビ−ルを飲んだらいい気分で大広間でひと寝入りした。この後また温泉につかった。一人では本当に退屈だ。この後、福島に出て帰京した。これでいよいよ丹沢だ。


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