第302回山行報告 塔の岳(.03/6/21〜2)2
 天気予報によればこの週末の土日は梅雨の中休みのようだ。こうなると山行きだ。このところ風邪で週末は寝ていたし、治れば今度は雨が降ったりでタイミングが合わず家にいたのでほぼ1ヶ月ぶりの山行きだ。
渋沢駅前のバス停には結構人が並んでいる。臨時バスも出るようだ。梅雨の間の貴重な晴れ間となると皆さん考えることは同じのようだ。大倉の休憩舎で朝食を食べて人影のなくなった後、のんびりと歩き出した。時折、冷たい風が吹くものの蒸し暑くてなかなか調子が出ない。雑事場ノ平で最初の休憩だ。思わず目を見張るような格好の美形の30歳代の外国人女性二人がサブザックを背負って通過して行く。この時期はこういうスタイルが一番かもしれない。この後、歩き出すもなかなか調子が出ない。なんだかおかしいなと思いながら何時もの休憩場所の一本松、堀山の家、小草平で大休止を取って登った。私はこの大倉尾根を6区間に分けて休憩を取って登っているが、この4区(堀山の家から小草平の間)の半ばで例の外国人女性二人がくだってくるのに会った。また目の保養をさせていただいたが、正直なところがっくりしてしまった。夏の丹沢は服装にしても装備にしても考えなければならない。花立山荘に着いた。とにかくここで食事だ。時計を見ると1時30分だ。ついつい隣り合わせた二人連れの方に、「ここまで大体3時間前後だが、今日は4時間かかりました。」と、ぼやくとお隣さんは休みすぎて5時間だという。氷の売れること売れること大変なものだ。2時に山荘を出て歩き出したが、くだる人が多く登る人は少ない。塔の岳山頂では4時間30分をオ−バ−した。今日は尊仏山荘には寄らず表尾根をくだって木の又小屋だ。山頂の肩で登ってくる人に木の又小屋の様子を尋ねると氷が売れて大賑わいの様子だという。木の又小屋に着くと常連のTさんがいる。今日は小屋の屋根のペンキ塗りをしたそうだ。また時々ご一緒するMさんが職場の同僚か同年輩の二人を連れて来ている。やがてこれまた顔見知りの女性二人組が到着だ。一休みの後、Mさんと木の又大日沢の水場に行って冷たい水を飲んで顔を洗ってやっと目が覚めた。小屋に戻り中森さんにこの水でコ−ヒ−を入れて貰った。今夜の宿泊者は7名でランプの下で楽しいひと時を過ごした。
 翌朝は、昨日、木の又大日沢の上部で見たレンゲツツジを写真に撮った。食事をして8時に小屋を出て塔の岳に向かった。尊仏山荘に入ると客は誰もいない。大野さんだけだ。先月デジカメで撮った檜洞丸の青が岳山荘の裏手に完成したトイレや小屋の写真を渡した。彼は以前この小屋の小屋番をしていたのだ。花立さんも出てきて雑談をしていると丹沢山まで行ってきたという女性が戻ってきた。この方は大倉尾根をくだり登山口近くにある克童窯に寄るという。私の自宅の近くにこの窯元の主の従兄弟の方がおられ前々からお話は聞いていた。大倉尾根を登るときは何時もこの前を通るのだがなかなか機会がなくてお会いできないでいた。こんな機会にぜひ一度お会いしたいものとご一緒させていただくことにした。そんなことで長いくだりも二人で話しながら歩くので退屈をしない。こんな経緯で克童窯の主、中島さんに初めてお会いできた。丁度、奥さんも来ておられて美味しいお茶を入れて頂いて作品をいろいろと説明していただいた。中島さんの作品は三越で開催されている日本の陶芸家百人展に展示されているとかで陶芸のことをいろいろと教えていただいた。土のこと、昇り窯で使う燃料の松のこと等興趣は尽きない。とにかく世の中は広いようで狭いものだ。 
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