290.’02/8/9〜11飯豊連峰主稜縦走
私の夏山山行の第三弾は飯豊連峰だ。この飯豊連峰というのは福島、山形、新潟の三県にまたがる広大な山域を総称する名前だ。幾つかの登路があるが、白馬大雪渓や針の木雪渓にも見劣りがしないという石転び沢の雪渓を登って梅花皮小屋、本山小屋と泊まって2泊3日の主稜縦走をした。
8/9日夜行バスの利用は年齢、体力を考えるととても無理なので、前日に山形県小国町の登山口にある飯豊山荘に泊まった。
8/10日山荘を5時に出て温身平から山道に取り付いた。歩き出して直ぐなのにもうザックの重さがこたえる。この飯豊連峰を歩くには3泊4日の日程が必要でいくつもの避難小屋(夏期は管理人が常駐)が有るが、食事寝具は登山者が自分で担ぎ上げなければならない。そんなことでシュラフ、食料7食分、火器、アイゼンとどうしてもザックが重くなる。石転び沢の出会いまでは既に雪渓が消えたり薄くなっているので左岸の夏道を歩くが登ったりおりたりでこたえる。石転び沢出会いから雪渓に取り付くがなるほど先々週の針の木雪渓に負けず劣らず手ごわい。雪渓を離れてからの夏道がとりわけ厳しく斜面一面に咲く花がなかなか見事だがとても眺めているような余裕は無い。1時15分に梅花皮小屋にたどり着いた。
8/11日6時に小屋を出て歩き出す。梅花皮岳の山頂でSさんが追い付かれた。同じ新ハイの会員のご縁でこの後、帰京までご一緒させていただいた。この日の行程はアップダウンがあっても楽しい、これぞ飯豊という山歩きであった。ガスが途切れると沢筋には雪渓が見え、斜面には花々が咲き乱れる。Sさんにこれがハクサンイチゲだ。ハクサンフウロだ。マツムシソウだ。と教えていただく。クルマユリ、ニッコウキスゲが見える。コバイケイソウが斜面に群生している。雪渓が後退する後を追うようにチングルマが可憐な小さな花をさかせて追いかけている。飯豊山荘の夕食時に梶川尾根を下山してきた愛知の30代40代の男性二人組が稜線の花の多さを「おとぎの国」を歩いているようだと話していたが本当だ。こんなに花の種類の多い山行も初めてだ。飯豊の山小屋も1500円だ、2000円だなどといわず、寝具と食事を出せば北アルプス並に8500円でも文句を言う人はいないだろう。食料の心配がなければ山中にもう一泊して楽しめるのではないかなどと勝手なことをSさんに話す。御西小屋にザックをデポして大日岳を往復したがこの道で見たのがHPに載せた写真だ。この後ガスが次第に深くなり風も強く飯豊本山では標柱に手を触れて3時に本山小屋にたどり着いた。
8/12日小屋を5時半に出て切合小屋、三国小屋と経由して11時川入登山口に着いた。飯豊鉱泉でひと浴びしてSさんと二人で蕨の漬物をつまみにビ−ルを飲んだ。煤けた梁にこの家の先代、先々代の写真が飾られた広間で4代目の主を交えてひとしきり飯豊の花談義だ。重いザックを担いで苦しいが楽しみも一杯あるのが山歩きだ。山も良し、花も良し、人の出会いも良し。楽しき哉山歩き。
(追記:写真の花の名前を最初ウメバチソウとしましたが、21日Sさんから「この白い花は雪の消えた後に群落を作るチングルマ(バラ科)の花です。花が終わると秋風に茶色のヒゲをたなびかせるようになります。」と葉書で教えていただきました。)

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