第281回山行報告丹沢山(02/2/10〜11)
 いよいよ繁忙期に突入だ。3月15日まで土曜も日曜も気の抜けない日が続く。そうなるとこの連休の10、11日は丹沢を歩いて暫しの暇乞いをしてこようというわけだ。
 9時30分大倉から歩き出す。駒止茶屋のあたりからちらほら雪が舞いだす。堀山の家ではザックの雨蓋は雪で真っ白だ。こう寒いと小屋に入って小休止だ。このあと花立山荘まで休みなしに登る。いつものように花立山荘で食事だ。小屋の中は休憩の人で大賑わいだ。壁の時計を見ると12時15分、とうとう3時間をきった。これまでにないベストタイムだ。ここでいつものようにとん汁を頼んでおにぎりを食べる。花立からは冬山モ−ドだ。チエ−ンの滑り止めをつけて登りだす。塔の岳山頂に到着だ。どんよりとした空のした小雪が舞い底冷えがする。今日は尊仏山荘には寄らないで早々に表尾根をくだり木の又小屋に向かう。小屋に入ると誰もいない。しばらくして中森さん奥から出てきて、「あれ、なんで柳瀬さんが来ているの」なんていう。しばしの暇乞いで来たと云うと納得の様子だ。常連のT、M、Yさんは連泊だそうだ。皆さんは丹沢山に行ってまだ戻ってきていないという。やがて飛び込みの登山者が4名相次いで入って今夜の泊まりは都合14名だ。経営的には大変だろうが、私はこの少人数の小屋が気に入っている。いつものように夜はスト−ブを囲んでランプの下で世相全般の話し大いに盛り上がる。寝る前に皆さんと一緒に外に出てみる。夜空は満天の星で三の塔の黒いシルエットの右手には秦野の町の明かりが広がる。丹沢の山小屋に泊まる一番の愉しみはこの光景だ。明日は晴天間違いないだろう。
 翌日は再度塔の岳に登り、丹沢山に向かう行程だ。歩く先には左手に真っ白な富士山が大倉尾根越しに顔をのぞかせ、右手には青空を背景に雪に覆われた塔の岳、山頂には尊仏山荘が朝日に照らされて見える。気持ちがはやってどんどん登る。やがて雪に覆われた塔の岳山頂に出る。富士山が端正な全貌を見せる。相模湾がきらきら光って見える。あの黒い影は江ノ島だ。冬の丹沢はこれでなくてはならない。富士山はやはり「偉大なる俗物」というだけのことはある。丹沢山まで朝日を浴びて明るい雪の中をトレースを辿って歩く。やはり来てよかった。丹沢山から引き返して鍋割山を回って大倉に戻った。(これから1ヶ月ほどは山歩きはお休みとなります。
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